お問い合わせ
Nordic Maritime Group、QYSEA E-MASTER NAVIの導入により低視認性水域でのソナーターゲット検証を大幅に高速化

2025-12-31

夕刻、外付けライトとGoProを装備してデッキに待機するQYSEA E-MASTER。

「GNSSレシーバーを搭載したE-MASTERへ切り替えたことで、作業効率が劇的に向上しました。」

Jens Lindström 氏(CEO、Nordic Maritime Group

導入企業

Nordic Maritime Group (NMG)

対象エリア

スウェーデン・フィンランド(バルト海、北海)

主な用途

海洋開発および土木工事前のサイドスキャンソナーターゲット検証

ROV構成

QYSEA E-MASTER NAVI(GNSSレシーバー + DVL自律航行支援)

運用環境

低温・暗所・低視認性の水域、マルチターゲット調査、最大約1.5ノットの潮流環境

エグゼクティブ・サマリー

NMG社における日常業務の多くは、共通のプロセスから始まります。海洋開発、浚渫(しゅんせつ)、海底パイプライン/ケーブル敷設などの海洋工事に着手する前に行う、サイドスキャンソナーターゲットの確認作業です。

ここでの課題は、水面ブイの設置、船の再保船、そして繰り返されるセットアップ作業に無駄な時間を費やすことなく、低温・暗所・低視認性という過酷な水中環境下でいかに効率よく検証を行うかという点にありました。

NMG社はQYSEA E-MASTER NAVIを導入し、業務フローにGNSS + DVL航行支援システムを統合。これにより、複数ターゲットの検証作業の大幅な高速化を実現しました。

作業船上で準備を進めるNMGチーム。

現場の運用環境

NMG社が対峙する海況環境は多岐にわたりますが、近年の実証事例はその作業の過酷さを如実に物語っています。

スウェーデンとデンマークの間に位置するバルト海では、水深35〜55m、水底視界約1〜3m、表層潮流0.5〜1ノット、底水温約10〜12℃という厳しい条件下で運用を行いました。

一方、スウェーデン北部の水位調整ダム(貯水池)では、水深約20m、水底視界約3〜4mでした。ある程度の透明度が保たれている環境であっても、水深によっては光が届かず、追加照明(外部ライト)の装着が不可欠となります。

ターゲット識別マークが施されたサイドスキャンソナーの画像(モザイク)。

E-MASTER NAVI 導入前:水面ブイ設置を伴うROV単体での検証作業

NMG社が初めてROV単体での調査キャンペーンを実施したのは、2024年8月のコペンハーゲン沖でした。

チームは位置測定機能を持たないFIFISH E-GOを使用し、水深3〜20mにある255箇所のソナーターゲットを調査しました。当時は、各ターゲットの位置を確定するために水面ブイの設置作業が毎回不可欠でした。

この手法での生産性は平均約10ターゲット/日にとどまり、気象条件が非常に恵まれた日でも最大20ターゲット/日が限界でした。この作業は7.5mの作業船を使用し、2名体制で執り行われました。

同年後半、より沖合の環境(水深35〜55mのより深いターゲット)で実施したプロジェクトでは、約35mの調査船を投入し、船員5名+ROVパイロット2名の体制で臨んだものの、処理能力は平均約4〜5ターゲット/日にとどまっていました。

水中ターゲットの確認作業風景。

E-MASTER NAVI の導入:「移動 → 検証 → 再配置」サイクルの変革

NMG社は2025年2月E-MASTERを購入しました。他の最先端機器と同様、導入当初は習熟と運用の安定化に向けた試行錯誤の期間がありました。

Lindström氏は導入初期、バッテリー残量表示があるにもかかわらず、極低温下でROVが予期せずシャットダウンする問題に直面しました。これに対し彼は、万が一のブラックアウト時にも機体が緩やかに浮上するようフロートを追加するという、現場ならではの実用的な安全対策を講じました。

運用面での大きな転機となったのは、10月に北海で実施された洋上風力発電プロジェクトにおいて、Navi機能を本格導入したタイミングでした。

GNSS/DVL航行支援機能の扱いに精通するにつれ、従来のブイ設置を伴う手法や、位置の喪失(ロスト)が発生しやすかった他の小型ROVシステムとの並行運用と比較して、明らかに作業スピードが向上しました。

E-MASTERとGNSSの組み合わせにより、チームは水面を自律航行して調査ポイント直上へ正確に移動し、そこから水底へ垂直潜降できるようになりました。これにより準備の手間(オーバーヘッド)が大幅に削減され、多数のターゲットを巡回する繰り返しのサイクルが著しく簡略化されました。

デッキ上で機体セッティングを行うLindström氏。

主な成果(NMG社報告による)

  • 複数ターゲット調査の大幅な高速化: GNSS/DVLを作業ループに組込むことで、水面ブイ設置への依存度を低減。
  • 一次検証における人員の最適化: 「従来は4名の潜水士チームを必要としていた作業が、今ではわずか2名で実施可能になりました。」
  • 優れたホバリング(自動定位)性能: 最大約1.5ノットの潮流下でも安定した定点保持を実現(より高い波浪下ではROVの投入・回収リスクが制限要因となる)。
  • 標準機としての採用方針: NMG社は、今後予定されている同規模のプロジェクトにおいて、E-MASTERを標準主力ROVとして運用する計画です。

現場で得られた実践的な運用のナレッジ

水面位置測位と座標データの管理

ブイ設置の廃止により大幅な時間短縮が実現した一方で、1日に多数のポイントを調査する場合(例:1つのプロジェクトで27箇所の検査ポイントなど)、手動での座標入力が作業のボトルネックになり得るとNMG社は指摘しています。

水面におけるGNSSの「測位再取得」挙動

初期仕様のケーブルと取り付けブラケットを使用していた際、船体や周辺地形による電波干渉を受ける環境下では、GNSSの測位完了までに最大約5分かかるケースがありました。

機体を水面に配置し、船体から約10m離すことで、より迅速かつ安定して良好なGNSS信号を取得できるようになります。

マルチディスプレイ出力によるチーム共有

パイロットの周りにスタッフが集中するのを避け、乗組員全体でリアルタイムに状況を共有するため、NMG社はSamsung製タブレットの映像をUSB-C to HDMI経由で固定の24インチTVへミラーリング出力しています。今後のソナー運用に向けては、ソナー表示専用のタブレットの導入を計画しています。

点検調査中のタブレット画面表示。

プロフェッショナルへ推奨する機器構成のアドバイス

濁度の高い水域では、照明の配置(ライティングジオメトリ)が極めて重要になります。Lindström氏によると、浮遊物による光の反射(バックキャッター)を抑えるには、外付けライトを内蔵ライトよりもカメラレンズから離れた位置にセットするのが効果的です。

また、暗所での撮影時に画像の鮮明度を高めるため、過酷な条件下ではROVの上部にハウジング付きのGoPro Hero 13を装着し、内蔵カメラ以上の鮮明な映像データを取得することもあります。

水底付近で著しく視界が悪い場合は、スラスターの過度な巻き上げによる浮遊泥の巻き散らかし(視界不調)を防ぐため、わずかに正の浮力(微小浮力)を持たせる配置設計の重要性を強調しています。

さらにNMG社は、水中考古学調査などでは依然として潜水士の手作業が必要な場面があるものの、「ROVファースト」での一次検証や、実際の水深・潮流・透明度の事前確認ツールとして、ROVの活用が圧倒的な運用上のアドバンテージをもたらすとまとめています。

外付けライトとGoProをカスタム搭載したQYSEA E-MASTER。

今後の展望

今後1年間で、NMG社はNavi機能の習熟度をさらに深め、強力なビデオライトと広角レンズ仕様の小型アクションカメラを組み合わせることで、深場(水深50〜150m)に沈む沈没船のフォトグラメトリ(3Dモデル化)を推進する予定です。

スウェーデン沿岸部では今後大規模な洋上風力発電の開発が多数計画されており、NMG社は、効率的でエビデンスレベルの高い水中検証の需要が今後も高まり続けると予測しています。同社は今後もROVを業務の中核に据えて事業を展開していく方針です。

夕闇迫る洋上での作業風景。

同様のワークフロー導入をご検討の方へ

ソナーターゲット検証の高速化、低視認性環境下での正確なデータ記録、あるいは潜水リスクや人件費削減に向けた「ROVファースト」のアプローチをご検討されている場合は、ぜひQYSEAにご相談ください。お客様の現場環境に最適なE-MASTER NAVIのシステム構成をご提案いたします。

※本事例で紹介された詳細は、Nordic Maritime GroupのJens Lindström氏がQYSEAの書面インタビューにて回答した内容に基づいています。

点検・調査ワークフローのご相談はこちら

QYSEAのNAVIソリューションは、再現性の高いターゲットアプローチ、安定した自動定位(ホバリング)、そして低視認性下における鮮明なドキュメンテーション(記録)を実現します。

QYSEA E-MASTERを手にするLindström氏。
低視認性の海底における記録・撮影の様子。

類似のソリューションに興味がありますか?メッセージを残してください。

お名前*

ご関心のある分野*

石油・ガス

風力エネルギー

海事・海運

養殖

インフラ

捜索救助

映像制作

海洋保護

科学と研究

水中探査・レジャー

その他:

メールアドレス*

QYSEAをどこでお知りになりましたか*

検索エンジン
ソーシャルプラットフォーム
オンラインとオフラインのメディア/通信
イベント・展示会

知人・取引先からの紹介

AIツール
その他:

*

会社名

電話番号(国番号を含む)

クリックまたはドラッグ&ドロップしてファイルをアップロード

サポート形式:画像、PDF、Word、Excel|単一ファイル 10MB 未満|最大 3 ファイル

添付(オプション)

メッセージをこちらにご記入ください*

利用規約 および プライバシーポリシー を読み、同意いたします。

送信